中国にもゴールデンウィークはある?中国の連休事情とその潜在リスク

中国にもゴールデンウィークと言われる大型連休は存在します。日本と同じように中国人はみな連休を心待ちにし、行楽や旅行を楽しんでいるようです。 特に、この時期に海外旅行をする中国人は非常に多く、近隣国である日本にもたくさんの観光客が訪れます。中国からの海外旅行客がパンデミック以前の水準に戻ろうとしている今、今後ますます様々な業界が活気づくでしょう。 しかし一方で、日本で働いている中国人が、この時期に帰省してしまうケースがあります。中国人スタッフにシフトを依存している店などは、シフトが埋められず経営が回らないといったリスクもあるのです。 なぜそのような事が起こるのでしょうか。 中国におけるゴールデンウィークについて、詳しく掘り下げてみました。


この記事は約6分で読み終わります。

 

中国にもあるゴールデンウィーク

日本では、4月の終わりから5月初めにかけて、ゴールデンウィークという大型連休があります。休日となる企業が多くあり、人々は帰省や旅行を楽しんだりします。

そして、中国にもゴールデンウィークは存在するのです。

中国のゴールデンウィーク

中国語でゴールデンウィークは「黄金周」といわれています。

黄金周が中国で始められた時は、5月1日のメーデーも連休の祝日として施行されていました。

日本の場合、メーデーは国が定めた祝日ではありませんが、中国では国の祝日と定められており「労働節」といわれています。

労働節から始まる黄金周

メーデーの起源は、1886年5月1日にさかのぼります。この日に、シカゴで8時間労働制を求める大規模なストライキが起こったのです。

当時は1日に12時間以上の労働が普通であったため、このストライキは、労働環境の改善を求めるものでした。

このストライキは、全国的で大規模に実施され、以降5月1日を「労働者の祭典」として祝日に制定する国が、欧州を筆頭に世界中に増えていったのです。

目次へ

 

中国のゴールデンウィークはいつ?

日本では、その年によって連休期間が変わってきます。祝日と曜日の並びによっては、秋にもシルバーウィークとして大型連休が発生することもあります。では、中国のゴールデンウィークは、いつからいつまでの期間なのでしょうか。

中国では例年、翌年の祝日が前年の10月~12月頃に発表されるため、公式な連休期間はまだ確定していませんが、予想されている連休日をお伝えします。

黄金周の期間

従来、中国が労働節として国で定めている祝日は、5月1日のみでした。1999年からは、中国国内での経済的な発展により、国民の生活にゆとりが出てきたことを受け「黄金周」を設けようという試みが始まりました。

この時の労働節は7連休となりましたが、2004年頃から祝日は中国での伝統的なものにすべきであるという動きが起こり、2007年に労働節の黄金周は廃止されました。現在は基本は5月1日~3日までの3連休に設定されているようです。

2025年の祝日はまだ発表されていませんが、4月30日(水)~5月4日(日)の5連休になり、代わりに4月27日(日)5月10日(土)は振替出勤日になる予想です。

労働節以外の連休

実は中国では労働節以外にも長期連休があります。「春節」と「国慶節」です。

春節は、中国では正月休みにあたり、最大のイベントとなっています。日本では旧正月と呼ばれていますね。2025年の春節は、1月29日を祝日とし、前後する1月28日(火)~2月3日(月)の7連休となる予想です。

国慶節は、中国の建国記念日を祝う連休です。2025年は、中秋節と国慶節が近いので、10月1日(水)から10月8日(水)までの8連休となると予想されています。春節と並び、中国では国民が楽しみにしている大型連休といえます。

中国のゴールデンウィークといえば、現在では「春節」や「国慶節」がふさわしいでしょう。

中国では、2025年には他にも以下のような祝日と連休が制定されると予想されます。

・元旦・・・1月1日

・清明節・・・4月4日~4月6日 3連休

・端午節・・・5月31日~6月2日 3連休

中国では旧暦を使用しているため、旧暦に関わる祝日は、現在の暦で見ると毎年日付が変わるので注意が必要です。

目次へ

 

中国人が休みをとってしまって人手不足になるリスク

中国のゴールデンウィークでも、海外旅行をする中国人が多くいます。

日本にとっては「爆買い」を好むとされる中国からの観光客が増え、大いに活気づく時期と言えます。しかし一方で、困った事が起きてしまう現場も存在するようです。

中国で連休だと、母国に帰省してしまう人が続出

現在、日本で働いている外国人の数は、2023年10月末時点でおよそ204万人。この中には中国人や中華圏の労働者も多く含まれています。

[参照]「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)|厚生労働省

慢性的な人手不足に陥っている日本では、外国人の働き手が非常に活躍しています。特に、飲食店やコンビニエンスストアなどでは、「外国人留学生のアルバイトによって支えられている」といっても過言ではないほど。

中国人スタッフも多く在籍し、シフトを埋めてお店を回す原動力になっています。

もし、そんな中国人留学生のアルバイトに、一斉に休み希望を出されてしまったら、シフトが埋まらず回らないなど、営業に大きな影響が出る事が予想されます。

そのような事態が起こると考えられるのが、中国の「春節」です。中国人や中華圏の人たちは、家族や親せきとの関係を非常に大切にし、お祝い事や行事を欠かすことはありません。

家族との時間を大切にするため、中国の正月である春節には、母国に帰省する傾向が強いのです。春節は7日間の大型連休であるため、帰省のための休暇希望も長期にわたる可能性が高くなります。

様々な国籍のスタッフを採用するのが大事

中国の連休に人手不足に陥るリスクを減らすためには、中国人や中華圏の人達だけではなく、さまざまな国籍のスタッフを幅広く採用することが大切です。

特定の国籍のスタッフだけでシフトをつくってしまうと、その国での重要な行事がある場合に一斉に帰省や休暇をとるリスクが考えられるためです。

日本人だけでは、なかなか人手不足が解消されない今、いかに多国籍のスタッフを有するかが店の経営にとって重要なポイントとなります。

とはいえ、外国人の労働者を採用するには、ビザの問題や事務手続き・社内マニュアルの整備など、クリアしなければならないことが多くあります。ノウハウが確立していない企業にとっては敷居が高いことも考えられます。

おすすめは、外国人スタッフの管理・育成に長けた人材派遣会社を利用することです。

目次へ

まとめ

中国でもゴールデンウィークと呼べる大型連休は存在し、多くの中国人が連休を楽しみにしています。海外旅行に出る中国人も多く、日本に訪れる観光客が激増する、まさにかき入れ時の期間なのです。

一方で、この時期には日本国内で働く中国人が一斉に帰国し、現場のシフトが間に合わなくなってしまうリスクもあるのです。

しかし、さまざまな国籍のスタッフを採用することで、急に長期にわたってシフトに穴があくというリスクが減らせることになるでしょう。