目次
ドラッグストアにはなぜ中国人が多い?
多くのものを大量に購入することを「爆買い」と呼んでいます。2015年の春節休暇に、中国人観光客が日本に訪れて商品を大量に買い込んでいたその姿から、表現されるようになった俗語です。
ドラッグストアで爆買いをする中国人観光客。その理由を見ていきましょう。
ドラッグストアのインバウンド事情
現在日本では、年々訪日外国人観光客が増えており、いわゆる「インバウンド」が増加している傾向にあります。中でも、中国人のインバウンドが非常に増えています。
中国人観光客は日本国内の観光地はもちろん、ドラッグストアを訪れるケースが多いといわれています。外国人の買い物客が増加する店側の対応策としては、免税カウンターを設置したり、プライスカードを英語や中国語で併記したりしています。
また、多言語を話せる日本人スタッフや、母国語が話せる外国人スタッフが接客している姿もよく見かけるようになりました。
インバウンドにはコスメが人気
少し前までは、ドラッグストアのインバウンド外国人客には、薬がよく売れていました。しかし、最近では「化粧品が最も多く売れている」というドラッグストアが多くなっています。
外国人観光客は「日本の化粧品は“高品質低価格”」という視点でコスメ商品を見ています。数万円単位でまとめてコスメ商品を購入していく人が多くいるのは、そういった理由からです。
外国人客が自分で使用する以外にも、日本で販売しているコスメ商品が、中国ではお土産品として重宝されています。
人気のコスメ商品情報の入手方法は、SNSの口コミが多いようです。SNSを使い口コミ評価が高いものを調べておいて、購入していく中国人女性が多くいます。
インバウンドが増えたらどうなる?
ドラッグストアで、インバウンドが増加するメリットとデメリットを見ていきましょう。
インバウンドが増加するメリット
ドラッグストアにとっては、大量に購入してもらえることで売上が増えます。旅行客の少ない地方でも、経済効果をもたらすことができます。
店舗側としては、SNSなどの口コミでリサーチを行い、インバウンドに人気の化粧品を揃えておくとよいでしょう。そうすることで、常に最新の情報や人気商品を取り揃えておくことができます。
さらに、口コミが評判を呼んでさらにインバウンドが増加する可能性があります。
インバウンドが増加するデメリット
考えられるデメリットとしては、インバウンド対応と日本人客対応が異なるため、スタッフ教育が必須となる分コストがかかることです。
日本人語のみしか話せないスタッフの場合、中国人客との間で言葉が通じずにコミュニケーションがうまく取れないことが考えられます。
そのため、日本人では当たり前の店舗内においてのルールなどが、うまく伝えられない可能性が出てきます。
ドラッグストアが行うべきインバウンド対策
訪日外国人観光客にとってドラッグストアは今後も需要が見込まれます。ドラッグストアが行うべきインバウンド対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
店舗の整備
・プライスカードやPOPを多言語対応にする。
価格表記や案内などの掲示物においては、日本語と英語でも対応は可能ですが、中国人客が多い店舗では中国語も併記しておくことがおすすめです。
外国人客とスタッフ間でたとえ言葉が通じなくても、指差しなどで確認を行うことができます。
・免税カウンターの設置
インバウンド客が多く訪れる大手ドラッグストアでは、通常のカウンターとは分けて免税カウンターを設置している場合があります。
これは、店内の混雑を避けるためと、専門のスタッフが担当を行うことでインバウンド客に安心感を持ってもらうためでもあります。
・フリーWi-fiの整備
中国人は、化粧品を購入するときSNSの口コミを参考にしています。店内でインターネットにアクセスしやすい環境を整えておくことで、インバウンド客から非常に喜ばれます。
また、その場でSNSへ口コミをしてもらうことができれば、さらに訪日外国人観光客が増えて、リピーターが続出する可能性も高まります。
スタッフ教育と人材確保
インバウンド客に対する最低限の説明や、万が一トラブルが起きたときには注意が行えるようにあらかじめスタッフには教育が必要になります。
たとえば、言葉の行き違いや不便のないよう「言語教育」の実施や、外国と日本では生活習慣が異なることから「中国文化に対する教育」の実施などです。
場合によっては、インバウンド対応要員として中国人スタッフの採用も検討されるとよいでしょう。現地の人財であれば中国の事情にも詳しく、売れ筋の把握や言語対応がスムーズであるため接客を安心して任せることができます。
まとめ
2015年には、海外に出国する日本人観光客の数よりも、日本へ訪れる外国人観光客の数が上回りました。
このようにアウトバウンドからインバウンドへシフトされてきた日本では、外国人観光客による経済効果が高くなっています。
政府も、2020年には訪日外国人旅行者数を「4,000万人」にという目標を掲げているため、そのキャパシティを受け入れる準備が必要です。
対策がうまく進むことで、ますますあらたな需要を生み出し、大きな経済効果へと繋がることが期待できるでしょう。