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増加する中国人労働者とのトラブルは仕事観の違いも原因!?
日本国内で増加する中国人労働者。一体、どれほどの中国人が日本企業で仕事をしているのか、彼らを取り巻く状況についてご説明します。
日本の外国人労働者の2割を占める中国人
厚生労働省の調査によれば、令和5年(2023年)の時点で、外国人労働者数は 2,048,675 人。
[参照]「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
もっとも多い出自国がベトナムです。その数は 518,364人で、外国人労働者全体の25.3%を占めます。さらに中国が397,918人で19.4%、フィリピンが226,846人で11.1%と続きます。
外国人労働者だけでなく留学生数も伸びています。外国人留学生は卒業・修了した後、母国に帰国せず日本企業で働きたいと考えている方が多くいます。留学生から就労ビザに在留資格変更許可を得ている留学生も増えており、その中で最大数を占めるのが中国人です。
中国人労働者とのトラブルは仕事観の違いが原因!?
今後、日本企業で中国人と仕事をする機会はより多くなるでしょう。その際に注意したいのは、中国人労働者の仕事観です。よく理解していなければトラブルを招くことになります。
コミュニケーションの伝達がうまくいかないという言語の問題だけでなく、仕事をする習慣の違いがトラブルの引き金となります。また日本人の中には、歴史的な背景から中国人に対して差別意識を持つ方もいるかもしれません。
言語の問題は、中国人の日本語力が職務をこなすうえで必要なレベルに合っていない場合生じやすくなります。中国人が言語能力を強化したり、日本人が伝わりやすい表現に変えたりすることで解決は可能です。
しかし習慣の違いや差別感情は、簡単に変えられるものではありません。トラブルが生じても解決に時間がかかる場合があります。
中国人の仕事観について
では、トラブルを起こさないためにはどうすればよいのでしょうか。中国人の仕事観について見ていきながら、対策をご紹介します。
給与、キャリアに関する意識
特にこだわりを持つのが給与・キャリアです。昇給昇進に対して、強い意識があります。
そのために情報交換を頻繁に行います。中国では自分の給与額を他人に知られることにあまり抵抗がありません。
自分と周りの社員とで、互いの所得や報酬を知らせ合って、比較をするのです。もし納得がいかない場合は、上司や会社に合理的な説明を求めます。場合によっては、昇給昇進を要求するでしょう。
職場での人間関係に関する意識
人間関係についても特徴があります。中国人は、立場関係なく上司や経営者に対しても、腑に落ちないことを意見します。さらに仕事ができない人に対して、態度も厳しくなり、たとえ上司であっても指示は聞き入れません。
周りの評価や批判を気にする日本人とは、まるで真逆です。中国人にとって周りの空気を読み取って、人間関係を構築することは理解しづらいことでしょう。
中国人の仕事観に基づく対策
日本人とは異なる中国人の仕事観について、理解をしたうえでどのような対策が必要なのでしょうか。その方法をご紹介します。
給与、キャリアについて
まずは中国人が納得して仕事ができる給与システムを用意しておくことです。特に重視したいのが、平等で客観的な評価基準です。業績や成果などに根拠を置いた、合理性のある給与体系・人事制度を導入しましょう。もし中国人にとって納得できなければ、会社に対して批判的、懐疑的になってしまう可能性もあります。
また、同じ役職や同業他社、ライバル企業と同じ水準の給与・人事制度を確保することも必要です。もし差を付けるのであればその理由を明確にしておきましょう。
さらに、中国と日本の社会保険制度や所得税に関する制度は一緒ではありません。事前に説明しておくとより丁寧です。こだわりが強いということは、その点に注力さえすれば、トラブルを回避する対策がとれるようになるでしょう。
中国人の部下への接し方
中国人の従業員が部下になった場合、日本人と同じように接するとトラブルが生じることもあります。例えば、人前で批判や指摘されることを中国人は嫌います。上司として部下を指導するためという目的があっても、嫌がる傾向にあります。
間違いを正すことがあれば、人前ではなくマンツーマンで行いましょう。しかし、極力そのような場は設けないことです。伝え方に気を付けていても、上司に対して態度が批判的になり逆効果となる可能性があります。
したがって褒めることや感謝を伝えることに徹した方が、部下と上手く接することができます。どうしても直してほしいこと、命令しなければならないことは、依頼や協力のかたちをとると効果的です。「○○さんにしかお願いできない」「○○さんだから協力してもらいたい」と重要性を伝えると、さらに良いでしょう。
いずれにしても上司というプライドや立場を持っていても、上手く進みません。相手に気持ち良く動いてもらうことがポイントです。
これらの接し方を取り入れて、中国人を採用する必要があります。しかし中国人の採用活動がはじめての場合、自社だけで行うとトラブルを避けられずに失敗してしまうケースもあります。
近年では、外国人の採用を専門に扱う企業に依頼するケースも増えてきています。
中国人を雇用する際、中国人労働者の紹介を得意とする企業に依頼をすることもおすすめです。
まとめ
中国人の仕事観と、トラブル対策の方法について解説してきました。仕事観を理解して上手く採用できれば、苦手な存在ではなく、企業を発展・成長させてくれる貴重な人財となります。
こちらが相手を理解するのと同時に、中国人の従業員にも、日本人の仕事観や考えていることをきちんと伝え、理解してもらうことが大切です。
異文化理解研修を受けるなど、考えや視野を広げられるような機会をつくることは、ストレスなくお互いを尊重し合える職場づくりに役立ちます。