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日本で働きたい中国人が増えている
近年、日本で仕事をしたいという中国人が増えていますが、一体どんな背景があるのでしょうか。母国・中国ではなく日本を希望する理由についご紹介します。
さらに彼らが、どうやって仕事先を探しているのか、就職活動の方法についても理解を深めていきましょう。
日本で働きたい理由
中国人が日本での仕事を希望するのは、第一に給与が考えられます。急速に経済的な発展を遂げている国とはいえ、母国の給与水準はまだまだ日本には及びません。
給料だけではなく、日本という国にも好感が持たれています。日本のアニメから音楽、ファッション、伝統芸能まで、日本文化の人気は根強いものがあります。
居住する場所として日本が高評価であることも理由の一つです。街全体に清掃が行き届いており、いつでも綺麗な状態が保たれています。さらに治安がよく、住みやすいことで知られています。快適に暮らしながら、安心して仕事ができるのが日本です。
さらに能力や実力アップを志向する中国人が多く、スキルアップできる環境が整備されている日本企業は、とくに支持を集めています。
日本での就職活動の方法
中国人が日本で働きたい場合、どのような就職活動をするのでしょうか。
基本的には、日本と同じ就活システムで行います。求人サイトやハローワーク、求人情報誌、企業の採用ページなどで情報を探して応募をします。
近年では、外国人に特化した人材紹介サービスを利用するケースも少なくありません。希望する条件に適した求人を斡旋してもらうことが可能です。
中国人が日本で就職するのが難しい状況にある
日本で働きたいと思っている中国人の方は多くいますが、彼らが就職することは決して簡単なことではありません。それには日本の就活システムや、就職後の問題が関係しています。それぞれの問題を詳しく見ていきましょう。
日本の就活システムに慣れていない
日本の就活は、新卒採用に力を入れています。中途採用に重きを置く会社もありますが、新卒をターゲットにした活動を積極的に行っている傾向があります。
一方で、中国で有利になるのは中途や第二新卒の採用です。なぜなら即戦力となる人材だからです。
さらに中国と日本とでは、就活を始める時期が違うことも関係しています。ニュースでも取り上げられている通り、今後スケジュールが変更になる可能性はありますが、現在日本では、経団連が定めた就活ルールに基づいてスケジュールが組まれています。情報の解禁は大学3年生の3月、面接開始は大学4年生の6月からです。
一方の中国では、10月にある国慶節が明けてからピークが始まります。
自国に比べ時期が早い日本の就活システムは、なじみがなく準備がしづらいのは当然です。仕組みがちゃんと理解できていないと、情報収集が不十分なまま就活を始めることになります。その結果、思い通りの就職活動ができないこともあるでしょう。
就職した後も働けるのか気がかりである
日本の企業に就職できたから安心というわけではありません。次は働き続けられるか、という問題が立ちはだかります。
多くの外国人労働者がぶつかるのは、言葉の壁です。日本人の従業員と、思うようなコミュニケーションができずに頭を抱えている外国人も少なくありません。
また中国人と日本人では、仕事に対する価値観が違います。日本の文化や企業スタイルについていけるのかどうかも不安の種になります。
中国人が働くうえで重視していること
中国人が日本で働きやすくなるためには、企業側の努力も必要です。そこで中国ならではの仕事への考え方を理解しておく必要があるでしょう。
彼らが仕事をするうえで重視しているポイントご紹介します。
仕事よりプライベートを大切にする
仕事では、勤務時間内に終わらせることを重視します。なぜならプライベートの時間を大切にしているからです。家族や友人と過ごす時間をつくるため、深夜にまで及ぶような残業は行いません。
会社の人とは対等な関係で働きたい
上司や先輩であっても、自分の意見を率直に伝えます。回りくどい表現や、直接的ではない言葉づかいはしません。それでは相手には伝わらないと考えるためです。
自分のスキルを発揮する
会社はあくまでもキャリアアップ・スキルアップの場だと考えています。いかに自分のスキルを活かせるのか、磨けるのかという視点で仕事をしています。
個人の成長を重視しているのでキャリアアップのために積極的に転職をすることもあります。
中国人を採用する際のポイント
仕事の価値観や文化についてご紹介してきましたが、中国人と一緒に働くうえでのポイントは何なのでしょうか。
モチベーションを下げない
中国人は自分の仕事に誇りを持っており、立場を大事にする文化があります。そのためモチベーションを下げるような言動は、彼らの意欲を大いに低下させます。
特に注意しなければいけないのは、人前で叱ることです。どんな失敗をしたとしても、伝えたいことがあれば1対1で話しましょう。
成果やプロセスを評価する
むしろ人前では、褒めることを積極的に行いましょう。中国では褒める国民性が根付いています。
良い仕事をしたらしっかり評価をすることで、彼らの意欲は高まります。また給与や報酬に反映することで、さらにモチベーションアップにつながるでしょう。
まとめ
中国人が日本で就職をしたい理由や就活の現状についてご紹介しました。彼らが日本で就職することは、決して簡単なことではありません。
だからこそ中国人を採用したいという企業は、彼らが就職しやすいように、また、長く働けるよう対策をしておく必要があります。
お互いが良好な関係で仕事ができるように、社内の制度や環境を柔軟に変化していくことが大切です。グローバル化する社会に対応するには、今まで以上に企業側の努力が問われるでしょう。