中国人観光客のもつ日本の印象は丁寧・親切…でも言葉の壁はまだ…

観光地や飲食街で中国人観光客を目にする機会が増えています。実際に、訪日外国人数のうち最も多いのは中国人です。ビザの緩和などで個人旅行の需要も高まり、日本を訪れる中国人観光客は年々増え続けています。 では、中国人観光客の方々から日本はどのように見えているのでしょうか。中国人観光客から見た日本の印象と問題点を見ていきましょう。


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そもそもなぜ中国人観光客は日本に来るのか?

中国人観光客は、日本のどんなところに興味を持っているのでしょうか?また、歴史的な背景による日本への抵抗感はないのかどうか、気になるところです。

観光地、食事、買い物が主な目的

中国の検索エンジン最大手の「日本法人バイドゥ株式会社」のアンケート(2018年2月実施)によると、

「観光名所に行く」が76%で最多。次いで、「日本の料理・食事を味わう」39%、「買い物」38%が僅差。広東省からの旅行者は、「日本の料理・食事を味わう」が約5割。「買い物」目的は関西地方への旅行者が最も多く約4割。

とされています。

[引用] 百度(Baidu)・関西地方への旅行者42%は買物が目的!2017年訪日中国人観光客2,810人の旅行実態調査

中国人観光客は何を目的に日本を訪れるのでしょうか。最も多いのは「買い物」で、そのほか「食事」「温泉」「娯楽施設等で遊ぶ」が続くといった調査結果があります。

中国人観光客の興味の大半は、日本の文化に触れるというよりは「遊ぶ」「食べる」「買い物する」にあるようです。

[参照]日本政策投資銀行「訪日中国人観光客の現状と今後

日本はちょうどいい国外旅行先

歴史的な背景もあるため、中国人に「反日感情がない」とは言い切れません。しかし、多くの中国人は「政治と観光は別のもの」と考えています。実際に、反日感情を抱いている中国人に出会うことは稀です。

戦争体験のない世代が増えている近年では、歴史的背景を気にしない場合も多いです。歴史問題は時として経済摩擦による利害問題で、後付けにすぎないケースが多いことも認識しておきましょう。

中国人観光客から見た日本は、地理的条件や円安など様々な理由から「ちょうどいい国外旅行先」と捉えられています。

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中国人観光客が日本に来て感動したところ

中国人観光客が日本を訪れてみて、感動したところはどこなのでしょうか?中国人を見かける機会は増えていても、感想や本音を聞くことは少ないものです。

ここでは多くの中国人観光客が日本に抱く印象についてご紹介します。

サービスが丁寧

・中国と比べて日本のサービスは充実している

経済大国である中国ですが、サービス面の充実はまだまだこれから、という地域がほとんどです。そのため中国人観光客からは「中国と比べて、日本のサービスの充実ぶりに感動した」という声を多く聞きます。

・接客スタッフの対応が丁寧

「重たい買い物袋に、やわらかい持ち手をつけてくれて嬉しかった」など、日本の接客スタッフの細やかな対応に驚き、心を動かされる中国人観光客が多いようです。

・どこに行っても質の高い接客をしてもらえる

日本では都市部に限らず、全国で一定レベル以上の接客サービスを受けることができます。そのため中国人観光客は「どこに行っても質の高い接客をしてもらえる」と安心感を抱くようです。

民度が高い

・ゴミ箱がないところでも清潔

日本では、道路などにゴミが落ちていません。観光地ではゴミの持ち帰りなども習慣化しています。中国人観光客は「ゴミ箱がないところでも清潔なので驚いた」と、街や観光地の清潔さに民度の高さを感じ取っています。

・誰もが交通ルールを守り、割り込むことなく列に並ぶ

日本人の誰もが交通ルールを守ることは、中国人観光客を驚かせます。また、店舗などの前に行列ができていても割り込んだりせず整然と並ぶことなども、中国人観光客に感銘を与えています。

・マナーが徹底されている

公共の乗り物では降りる人を待ってから乗る、エレベーターでは乗る人がいないか確認してから扉を閉めるなど、日本人の間では習慣となっているマナー。中国人観光客は「あらゆる場面で、マナーが徹底されている」と感動するようです。

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中国人観光客が日本に来て残念だったところ

では、感動したところに対して、中国人観光客が日本を訪れた際に残念だったことは何でしょうか?

文化の違いに戸惑う

・冷たい飲み物が出てくる

中国では常温の飲み物かお湯を飲むことが一般的。そのため日本を訪れた中国人観光客は、店舗などで冷たい飲み物が出てくることに戸惑うことがあります。

・キャッシュレスに対応していないところがある

中国ではスマホ決済が急増中。日本のキャッシュレス普及率はまだ2割程度で、中国人観光客にとっては不便と感じることもあります。

やはりコミュニケーションの壁は高い

2017年の観光庁の調べによると、訪日中国人観光客が最も困ったこととして「施設などのスタッフとのコミュニケーションがとれないこと」があがっています。

コミュニケーションをとる上で困った場所としては、飲食店(28.5%)が最も多く、次いで「鉄道駅」(17.4%)、「小売店」(16.2%)、「城郭・神社・仏閣」(9.8%)、「宿泊施設」5.4%となっています。

「飲食店への道順」「交通情報」「多言語対応の可否」など、中国人観光客が求めるいずれの場面においても、コミュニケーションがうまくいっていません。

[参照]国土交通省観光庁:「訪日外国人旅行者の受入環境整備における 国内の多言語対応に関するアンケート」結果

受け入れ側の日本人は、翻訳アプリ等で対応することは可能です。しかし早さや正確さが求められる店舗での顧客対応となると、それでは追いつかないケースが多いでしょう。

中国人が多く訪れる店舗であれば、中国人スタッフを置くことで迅速な顧客対応が望めます。

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まとめ

年々増え続ける中国人観光客。日本ならではのサービスや民度の高さは、彼らに感動を与えていることがわかりました。

しかし一方で、中国人観光客は「コミュニケーションがとれないこと」に困っている事実があります。インバウンドの重要性が高まる時代において、こうしたことを着実に解決していくことが求められています。