家族滞在ビザなら就労できる!?雇用するための条件とは

外国人を就労させるにあたって就労ビザの取得が必要だということは多くの方がご存知かと思います。しかし持っているビザが「家族滞在ビザ」であっても就労は可能なのでしょうか?家族滞在ビザの概要と就労可否、就労ビザへの変更方法について詳しく解説いたします。


この記事は約6分で読み終わります。

 

家族滞在ビザとはどのようなもの?


まずは家族滞在ビザとはどのようなものかについて、また就労可能かどうかについてみていきましょう。

家族滞在ビザは扶養を受けていることが条件

家族滞在ビザは、就労ビザを取得している被扶養者に発行されるビザです。つまり配偶者やその子どもが対象です。父母や兄弟姉妹などは対象とならない点に注意が必要です。ちなみに家族滞在ビザは、留学ビザを取得し日本に滞在している外国人の配偶者や子どもに認められる場合もあります。被扶養者であることを証明するためには、結婚証明書や出生証明書の提示が必要です。また被扶養者は扶養者に経済的に依存している形である必要がありますので、基本的に収入が0であることが前提です。

このビザは就労ビザを取得している人と、家族として日本で生活を送るために発行されているものです。そのため、就労することを目的としたものではありません。

就労ビザを取得して日本で働く外国人労働者が、妻や子どもなどを日本に呼び寄せて生活する場合、基本的に就労ビザを取得している扶養者の収入のみで生活する必要があります。しかし、扶養者のみの収入で生活するのは厳しいのが現実です。

被扶養者である妻などが家族滞在ビザで就労することが可能なのかどうかについて、次の章で詳しくみていきましょう。

家族滞在ビザでは就労できない?

前述した通り、家族滞在ビザは就労ビザを取得している外国人労働者と家族として生活することを目的として日本に滞在するためのビザです。そのため、基本的に家族滞在ビザを持っている人物は経済的に扶養される立場であり、就労することは想定されていません。つまり家族滞在ビザを持っていても日本国内で働くことを許されていないのです。

ただし家族滞在ビザでも就労が可能なケースが2つあります。これを資格外活動許可と言います。1つ目は「包括許可」と呼ばれ、1週間に28時間以内の労働を可能とする条件が付与されています。2つ目は「個別許可」と呼ばれ、包括許可以外の活動を行いたい場合に、入国管理局に就労を許可してもらう方法です。この場合も労働時間は1週間に28時間以内と制限があります。

しかし、資格外活動許可が認められたとしても、就労ビザを取得している人の収入を超えてはいけません。ご家族のビザに影響を与えないかどうかにも注意が必要です。

目次へ

 

外国人が就労できるビザや変更方法とは?


続いては外国人が就労ビザ以外でも働くことができるビザについて、また家族滞在ビザから就労ビザに変更する方法についてご紹介します。

就労ビザ以外で働くことができるビザ

就労ビザ以外で働くことができるビザには大きく分けて3つあります。

1つ目は「特定技能ビザ」です。就労ビザよりも就労範囲が広く12業種で働くことが可能です。従来就労が認められていなかった、建設業や宿泊業、造船業、外食業界にも門徒が開かれています。1号、2号の2つの種類があり、1号の修了者が試験に合格すると2号に進むことができるとされています。1号では最長5年しか日本に滞在することができません。しかし2号の場合は更新する条件を満たしていれば、何度でも更新が可能です。また家族を呼び寄せることも可能です。

2つ目は「高度専門職ビザ」です。1号、2号の2種類があり、さらに1号はさらに3つに分かれます。1号と2号の違いは有効期限です。1号は5年の有効期限であるのに対し、2号は無期限です。ただし1号から2号になるには、1号を取得し3年経過している必要があります。高度人材ポイント制において70点以上を保有していると取得がしやすくなります。企業や大学での研究職や小中高での語学教師、翻訳などが対象となる在留資格です。

3つ目は前述した留学ビザです。ただし留学ビザだけでは働くことはできず、資格外活動の許可を受けていることが前提です。学業に支障をきたさないことが条件であり、週に28時間、長期休暇中も1日8時間を上限に就労が可能です。ただし、ゲームセンターやパチンコ店、キャバクラなどの風俗店では就労が許されていません。

家族滞在ビザから就労ビザに変更する方法

家族滞在ビザから就労ビザに変更するには一定の条件が定められています。

・大学や日本の専門学校を卒業した後に、一般企業に就労する場合
・日本の小中学校、高等学校を卒業後、就職する場合
後者は、それ以外にも細かな条件があるため、事前に確認が必要です。

就労ビザに変更したい人の学歴とこれから就労する職種が何かということがポイントとなります。学歴は上記に示した通りですが、日本の高等学校とはインターナショナルスクールなどは該当しません。従事する職種についても、レジなどの単純作業はたとえ正社員であっても就労ビザが下りない可能性があります。日本での学歴と就労する職種に関連性がある方は、より就労ビザに変更しやすくなります。

またここで注意すべきなのが、家族滞在ビザで日本に滞在していた時のオーバーワークです。学生時代などは時間を持てあましていたり、もっとお小遣いが欲しいということでバイトを掛け持ちしていたり、定められている週28時間を超えてアルバイトをしていたというケースが多く見受けられます。

これは日本社会において犯罪に該当することから、就労ビザへの変更はもちろんのこと、家族滞在ビザを取り消される可能性もあります。事前にオーバーワークの事実がないかどうかの確認をすることをおすすめします。

目次へ

 

就職を考えているなら


現在は家族滞在ビザを使って日本で学生として生活しているという方が、日本で就職したい場合は人材派遣会社を利用する方法がおすすめです。

ハローワークなどの求人に応募する、就職説明会に参加するのも一つの方法ですが、希望するスキルをもった自社とマッチする外国人労働者の雇用を望むのであれば、外国人の就職に積極的な人材派遣会社が有利です。

目次へ

 

まとめ

家族滞在ビザは就労を目的としたビザではないため、基本的に就労することはできません。しかし資格外活動許可が認められると、就労時間の制限はありますが就労が可能となります。また就労ビザ以外にも日本で働くことができるビザもいくつかあります。大学を卒業後、家族滞在ビザから就労ビザへの変更も可能ですので、条件を確認し有能な人材雇用に役立てましょう。