外国人特区とは何?
外国人特区という言葉を耳にする機会はあっても、その具体的な内容までは詳しく分からない人も多いです。まずは外国人特区とは何のことを指すのか見ていきましょう。
特区とは「国家戦略特区」のこと
特区というのは “世界で一番ビジネスをしやすい環境” を作るために創設された「国家戦略特区」のことを指します。成長戦略のために特定の地域を指定し、その地域内でビジネスをしやすい環境を作るのが目的です。また、特区には「国家戦略特区」の他に「構造改革特区」や「総合特区」などもあります。
以前までの特区は地方自治体などからボトムアップ型で、国に提案する形で行われていました。しかし、「国家戦略特区」においては、国が主体的に行っているのが特徴です。地方自治体や民間事業者から提案されることで、特区に指定されることもあります。特区として一部の地域のみで認められていたことが、全国規模に広まることもあり、国内経済の発展において特区が果たす役割は大きいといえます。
特区に指定された地域では、ビジネスを活性化させる目的で大胆な規制緩和が行われます。そして、規制緩和の内容の1つが外国人財を受け入れるという内容です。外国人の受け入れを認めている特区内の企業なら、他の地域よりも簡単な手続きで外国人を雇えるようになります。
事業別にメニューがある
国家戦略特区には事業別にメニューが設けられています。例えば、農林水産業や教育、都市再生、医療、観光などです。主に人手不足が深刻な分野、新たなサービスの創出が期待できる分野などがメニューに含まれています。そして、外国人を活用することも認められているのです。
人手不足が深刻な事業においては、外国人の活用が解決策の1つとして期待されています。特区内では既に外国人労働者を雇っている企業も多いです。
例えば農業や家事支援分野で、外国人財の受け入れが認められている地域があります。これまで単純労働であることを理由に外国人財の活用が認められなかった事業においても、特区により認められるケースが多いです。
人手不足が原因で企業が倒産してしまう例も見られますが、外国人財の受け入れを認めることで、倒産防止にも繋がります。外国人の活用で企業の売上や利益が増えれば、自治体の税収も増えて、地域の活性化にも繋がるでしょう。
特区のメリットは?
特区で外国人を受け入れることで得られるメリットは具体的にどんなものがあるのか、見ていきましょう。
メリット:人手不足の解消やビジネスの促進
特区で外国人を労働者として受け入れることで得られるメリットとして、分かりやすいのは人手不足の解消に繋がる点です。特に農業においては、日本人の若年層の人たちから敬遠されがちです。地方では実家が農家でも、家業を継がずに都市部に出て就職する若い人が多いため、深刻な人手不足に陥っています。
そこで外国人財を活用することで、国内の農家を守れます。農業を辞めざるをえなかった農家や、規模を縮小せざるをえなかった農家も、外国人を雇うことで続けられるようになるでしょう。
また、特区における政策は国や自治体だけが行うものではありません。民間企業を巻き込んで改革を行う点も1つのメリットです。特区を上手く利用して、事業拡大を図る企業や、売上や利益を大きく伸ばす企業も出てくるでしょう。その地域の経済が活性化すれば、企業の従業員も賃金上昇などの形で恩恵を受けられます。
さらに特区を利用してビジネス展開を図るために、新たな事業が起こされることも多いです。企業が増えて働く場所も増えれば、人口流出が続く地域でも歯止めがかかります。次第に活気を取り戻していくでしょう。
外国人の雇用を考えているなら
特区の実情を踏まえた上で外国人労働者を雇いたいと考えているのであれば、求人を募集してみましょう。外国人労働者向けの求人は全国のハローワークで募集できます。
外国人雇用サービスコーナーや外国人雇用サービスセンターなどを設置しているハローワークもあるので、相談してから募集することも可能です。また各都道府県には外国人雇用管理アドバイザーが設置されており、外国人雇用のことに関して無料で相談できます。外国人の雇用管理のことがあまりよく分からず二の足を踏んでいる方は、ぜひこうした公的支援を利用してみましょう。
また、事業にマッチした外国人労働者を上手く探せるかどうか不安な方は、人材派遣会社を利用する方法もあります。
まとめ
特区での外国人財の活用は、現在人手不足の解消の手段として注目を浴びており、地域経済活性化にも繋がるでしょう。日本人労働者の雇用が減るなどの指摘もありますが、それ以上にメリットが大きいです。人手不足で困っている事業者の方は、ぜひ外国人財の活用を検討してみてください。