外国人を採用する企業が増加中!その背景にあるメリットとは?

外国人を採用する企業が増えていると聞きます。その理由はなんでしょうか?また、外国人を採用するにあたってのメリットについても解説しています。


この記事は約6分で読み終わります。

 

外国人採用する企業が増加

外国人採用が増加している背景

日本での外国人労働者は、年々増加しています。内閣府の資料によると、2008年には48万6,398人だったものが、2022年には182万2,725人と、この14年で約3.7倍にもなっているようです。

理由のひとつには、日本企業の海外進出に伴った業務のグローバル化により、外国人の人材を必要とするようになってきたことが考えられます。

また、少子高齢化が進み、日本国内での生産年齢人口の減少によって深刻な人手不足が続いた結果、外国人を採用するケースが増加しているという面もあるでしょう。

そのため、大企業だけではなく中小企業でも、外国人の採用には積極的になってきているといえそうです。

さらに近年では、外国人留学生や海外での大学卒業予定者を対象とした新卒採用も増加しています。

外国人が日本で就労するためには「在留資格」が必要です。政府はこれまで在留資格が取れなかった部門に、2019年4月から新たに「特定技能」という在留資格を設定し、建設や農業・介護などの分野で外国人労働者の受け入れを推進するための政策を進めています。

[参考]「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

数字で見る外国人労働者の状況

内閣府の資料によると、日本における外国人労働者の内訳は以下の通りです。

・専門的・技術的分野…約47.9万人(26.3%)

各専門分野における在留資格を持つ。

・身分に基づき在留する者…約59.5万人(32.7%)

「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者」。制限がないため、さまざまな分野での就職が可能。

・技能実習…約34.3万人(18.8%)

技能移転を通じ、開発途上国への国際協力を目的とするため、受け入れ人数や就労期間に制限がある。

・特定活動…約7.3万人(4%)

特定活動の在留資格をもつ。

・資格外活動…約33万人(18.2%)

留学生のアルバイトなど。

※2022年10月末現在

増加率が高いのは、「専門的・技術的分野の在留資格」で21.7%増加、「特定活動」で前年比11.3%の増加です。

技能実習については、厳しい職場環境に置かれた技能実習生の失踪が相次いだことなどから、現在制度の見直しをしているので、今後名称等変更がありそうです。

目次へ

 

外国人採用増加の背景にはこんなメリットが

このように、外国人の人材を採用する企業が増加していることは、資料からも見ることができます。

では、外国人の人材を採用することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

海外進出

企業が海外進出するうえで、相手国の言語が堪能な人材が在籍しているのは心強いものです。また、国が違えば文化や習慣も異なるもの。取引相手国の文化や習慣を理解している人材は大変貴重なものとなるでしょう。

同時に、現地の取引先との信頼を得やすいという利点も考えられます。

新しい発想

日本人とは文化が異なる環境で育った外国人スタッフの発想は、日本人だけのミーティングでは生まれ得ない新しいアイディアかもしれません。

また、外国人は日本人とくらべてはっきりと意見を言う傾向があるため、ミーティングが活性化するというメリットもあるでしょう。

社内のモチベーションの向上

外国人が日本で働く場合、日本の文化を理解する必要があり、日本語の習得もしなければなりません。従って、学習意欲が旺盛な人が多いと考えられます。

また、あえて母国ではない国での就労を選択するということは、チャレンジ精神に富んだ前向きな性格の人物が多いのではないでしょうか。

このようなポジティブな人材と交流することによって“日本人社員の向上心につながる”というメリットも見逃せません。

目次へ

 

外国人採用増加にあたって考えるべきこと

いざ外国人を採用するとなれば、考えておかなければならないことが多くあります。合わせて、思わぬトラブルにならないように、環境を整えておくことが大切です。

職場の環境整備

せっかく採用した外国人社員が、環境の不備によるストレスで去ってしまうのは避けたいもの。相手の文化や宗教に配慮した職場環境つくりが必要です。

・言語の問題

外国人社員には、日本での就労にあたって日本語を習得してもらうことは、社員同士のコミュニケーションにおいて必要です。一方で、日本人社員側の語学力の向上への努力も忘れてはなりません。互いの歩み寄りが、大切になります。

ビジネス独特の日本語のニュアンスや文化など、通常の学習では習得しづらい部分をコミュニケーションで補う必要があるためです。

また、外国人社員の安全衛生上の配慮も必要です。日ごろから危険に関する日本語をしっかりと理解してもらったり、表記物には母国語を併記したりなど、安全な環境を提供するようにしましょう。

・宗教上の配慮

宗教によっては、食べてはいけない食材があったり、毎日決められた時間に礼拝をしなければならなかったりといった制限があります。企業によっては、イスラム教徒の社員向けに礼拝室を作るなどの対応をしているところも。

今後、外国人就労者が増加していくことを考えると、相手の宗教上の習慣を理解し対応することが必須になっていくと考えられます。

・人事評価の透明化

外国人は、自身の評価に非常に高い関心を示す傾向があるようです。そのため、日本企業の人事評価が不透明であると感じ、不満をもつ場合も。

また、日本語での評価の表記内容の解釈に誤解が生じることもあるようです。評価文には英語も表記する、誰もが見てわかりやすい透明な評価基準にするなど工夫が必要でしょう。

ビザの申請、更新手続きなど

外国人が日本で就労する場合、就労ビザが絶対に必要になります。どれほど働く意欲があり、優秀な人材であっても、ビザがおりなければ日本で雇用することはできません。

就労ビザは、申請から認可まで3カ月ほどかかる点、手続きが複雑な点に注意が必要です。

企業によっては、行政書士に依頼しているところもあるようです。

また、就労ビザ更新の手続きにも注意が必要です。万が一更新手続きを怠って、就労ビザの有効期限が切れてしまうと、不法在留となってしまうため、雇用側の企業がサポートをしていくことも必要でしょう。

 

目次へ

まとめ

企業の海外進出・国内の労働人口減少など。現在の日本において、近年の外国人労働者の増加と、今後外国人を採用していく企業がさらに増えるであろう要因が、見えてきました。

外国人を雇用するメリットは多くあります。彼らが日本で働きやすい環境づくりは、欠かすことはできません。そこに、企業を活性化し、グローバル化を推進していく道筋ができるのではないでしょうか。

働きやすい環境は、円滑なコミュニケーションから作られます。
コミュニケーション研修や、異文化理解研修をご検討の際は、ぜひイマジンネクストへご相談ください。