中国人観光客に大阪が人気!ポイントは「買い物」と「日本食」

日本を訪れる外国人観光客の多くが、旅行先として大阪を選んでいます。訪日外国人全体の旅行先は東京が最も多いものの、中国・韓国・台湾・香港からの観光客に限ると、大阪がトップとなっています。では、なぜ大阪は人気を集めているのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。


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なぜ中国人観光客は大阪へ来るのか?

現在、日本の観光地の中で中国人観光客からじわじわと人気を集めているのが、大阪です。大阪に訪れる中国人観光客は何を目的に訪れているのでしょうか。

訪日中国人には買い物目的が多い

大阪府が行った調査によれば、2017年に日本を訪れた中国人観光客のうち54.7%が大阪を訪れていますが、そのうちの約半数が「買い物」が目的と答えています。買い物をする場所としては、心斎橋が最も多く選ばれています。

大阪を旅行先に選ぶことには、アクセス面の利点もあります。大阪から京都・神戸などに日帰り旅行できることも魅力です。また、大阪を拠点に関西の主要なショッピングエリアに行くこともできます。

[参照]大阪府・大阪の観光動向について

インバウンド対策が充実している

大阪の食文化は外国人観光客からも注目されており、ニューヨークタイムズ紙に「たこ焼き」「すし」「ラーメン」など、日本独特のグルメ記事が掲載されたほど。

大阪では、街ごとにテーマパークのような演出をしていることも、観光客受けする要素のひとつ。大阪エリアには特色のある地域や観光地が多く、しかも短時間で移動できます。

交通面でもインバウンド対策がとられています。平成13年から販売スタートした「大阪周遊パス」は購入者の8割が外国人観光客です。大阪市内の地下鉄・バスに1日乗り放題、大阪エリアの主要観光施設35箇所を無料で体験することができます。

また、大阪ではここ数年の間に、無料Wi-Fiスポットの増設が進められてきました。市内や人気観光スポットで利用できる「Osaka Free Wifi/ Osaka Free Wi-Fi Lite」、阪急電鉄で利用できる「HANKYU-HANSHIN WELCOME Wi-Fi」など、 観光客の満足度を高める対策がとられています。

多言語対応にも注力しており、大抵の商品に多言語による説明が書かれています。中国人観光客に人気のドラッグストアでは、社団法人「大阪府薬剤師会」の手による店頭用の「外国人対応マニュアル」が作成されてもいます。

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大阪を訪れる中国人観光客に人気のスポット

大阪ではインバウンド対策に力を入れているため、多くの中国人観光客に選ばれていることがわかりました。では、大阪の中でも人気スポットはどこなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

買い物ならやっぱり「心斎橋」「難波」「大阪駅」

中国人観光客の買い物時間が最も長いのは「心斎橋」、次いで「難波」「大阪駅」となっています。大阪では、比較的狭いエリアに買い物できる場所が集まっているので、周遊しやすいという利点があります。

中国人観光客によく売れているのは、家電やお菓子です。中国人の間ではSNSやブログでの情報発信が盛んで、買い物の参考にしています。中国人は訪日前、入念に口コミ情報をチェックしていますので、そのことを踏まえた対応も必要になります。

グルメ目的の観光客には「道頓堀」も人気

中国でも日本食への関心が高まり、認知されてきています。大阪にはミシュラン星レストランが91店舗あり、ニューヨークタイムズ紙でも報じられました。

B級グルメとしては、巨大なタコ看板で知られる、たこ焼きの有名店「くくる」が人気。2010年の上海万博時に出店した「道頓堀くくる」は現地でも高い人気を集めました。

また、猥雑さも含んだネオン街は、中国人にとってなじみがあります。なじみがある、親しみやすいなども大阪の魅力のひとつでしょう。

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今後の中国人観光客には体験型消費の拡大が予想される

日本を訪れる中国人観光客の増加に伴い、2~3度と訪れるリピーターも増えてきています。

爆買いのように「モノ」消費する観光スタイルは徐々に減少し、日本ならではの文化を体験できるような「コト」消費をする観光スタイルの拡大が予想されます。

「コト」消費を望むような中国人観光客に対して、必要になるサービスはどんなものがあるのでしょうか?

爆買いから体験へ

爆買いで満足するような観光客は減少していくことが予想される中で、買い物客への対応だけでは不十分です。日本らしい文化体験ができること、「プラスアルファ」の部分が重要になってきます。

高所得層ほど文化や教育、娯楽などへの支出が多いことがわかっています。トレンドエクスプレスの調査によれば、注目キーワードとして「温泉に入りたい」「お寺に行きたい」「桜が見たい」「日本料理をつくりたい」「お茶をたてたい」などがランクインしています。

日本文化を体験してもらうには、やはり他言語対応は必須

中国人観光客からは、「メニューが読めなくて困る」「説明がわからない」などの声が多数あがっています。

大阪の観光客数が飛躍的に伸びた要因のひとつに、多言語対応を充実させたことがあります。中国人観光客をターゲットにする場合、中国語対応の充実は必須となります。

中国人観光客からは「中国語ができるスタッフがお店にいると、利用者側は安心」という声も聞かれます。飲食店ではメニューや味の説明だけにとどまらず、料理のこだわりや背景なども説明できればなお、「体験」を求めている観光客の満足度を高められるでしょう。

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まとめ

多くの中国人観光客が訪れる大阪。大阪は周辺観光地へのアクセスの良さはもちろんのこと、買い物や食文化を満喫できる場所として、高い人気を集めていることがわかりました。

Wi-Fiの整備や多言語対応、交通機関のサービスなど、たくさんのインバウンド対策を行っていることもまた、人気の理由のようです。大阪の取り組みは、今後のインバウンド対策の良い参考になります。

中でも多言語対応は今すぐ準備しておいても、早すぎるということはないでしょう。