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中国人の人気スポットの定番、大阪・東京・京都
実際に中国人が訪れている都道府県TOP3は、東京・大阪・千葉となっています。
しかし、世界でも有数の検索市場「百度(バイドゥ)」の2017年の調査によると、訪日を計画中の中国人がインターネット検索している場所の1位は大阪、2位は東京、3位は京都という結果になっています。
ここでは検索数の多い大阪、東京、京都、それぞれの人気スポットについて紹介していきましょう。
大阪では買い物目当てのひとが多い
アメリカのマスターカードが発表した世界の海外旅行市場レポート「Mastercard Destination Cities Index」2009~2016年の調べで、海外旅行者の年平均増加率が最も大きかった都市は日本の大阪です。
大阪府は官民一体となって他言語表示に力を入れているため、買い物をする際なども戸惑うことが少なく、訪日外国人観光客に喜ばれているようです。
また、大阪の人気は日本食ブームも後押ししています。「食いだおれ」の名に恥じることのない大阪では食文化が充実しており、グルメの街としての評価が高くなっています。
大阪を旅行先に選ぶことで、近隣の京都や奈良、神戸方面などへも日帰り旅行が可能となります。このように周辺観光地へのアクセスが良いということもまた人気の理由です。
中国ネットサービス大手の网易(NETEASE)が運営するサイトによると、訪日理由の1位は「買い物」です。大阪だと心斎橋で買い物する観光客が最も多く、ほかにも大阪駅など、品ぞろえが豊富で多くの日本製品が購入できるところが人気です。個人旅行者に限ると、道頓堀での買い物客も多いです。
また、「大阪城公園」や「ユニバーサルスタジオジャパン」などの定番観光地も人気を集めています。
東京では定番観光地が人気
2017年(平成29年)産業労働局の調べによれば、
『訪都目的は「観光・レジャー」が70.5%で最も多い。次いで「ビジネス」が20.8%となっている。 訪問先は、「新宿・大久保」が56.0%、「銀座」が49.7%、「浅草」が45.7%となっている。』
とのことです。加えて、周辺の家電量販店などで買い物をする中国人観光客も多いようです。
[引用]東京都産業労働省・平成29年国別外国人旅行者行動特性調査結果
日本の高級な繁華街を一度は見ておきたいということで、銀座を訪れる観光客も絶えません。銀座では日本料理を食べることを目的に、主に有名店が選ばれています。
浅草では浅草寺や人力車、かっぱ橋道具街など日本らしさを満喫している様子が伺えます。中国人観光客にとって、日本の定番観光地と言える浅草は外せないスポットとなっているようです。
東京では日本ならではの「おもてなし」に対する中国人観光客の満足度は高く、日本らしい質の高いサービスを受けられる場所は人気を集めています。
京都では伝統文化体験の人気が上昇中
京都市による2016年(平成28年)「外国人観光客実態調査」によると、中国人観光客に人気の京都のスポットは「清水寺」が1位となっています。2位は「二条城」、3位は「祇園」。「金閣寺」や「伏見稲荷大社」も相変わらず人気が高いです。
[参照]京都市情報館・京都観光総合調査(2016年1月~12月)
京都では、着物や浴衣を着るというような「伝統文化体験」が人気なのが特徴的です。着物レンタル店が多い八坂神社周辺などでは季節を問わず、着物姿で記念撮影する中国人観光客の姿を見かける機会が増えています。
ほかにもお茶をたてる、日本料理をつくるなど、伝統文化体験型の観光の人気が高まっているようです。
訪問先として神社仏閣が人気なのは、中国人観光客も癒しを求めていたり、お寺や神社で日本の歴史を感じたりできるためでしょう。
中国人観光客に意外な人気スポット
意外な場所で見かけることも多い、中国人観光客。日本人が観光地として想定していないのに、実は人気スポットになっていることもあります。
日本を「体験」できるスポットが人気
旅行専門サイト「馬蜂窩(マーファンウォー)」が発表した中国人の人気スポットランキングや、「百度(バイドゥ)」の検索調査では、“日本を体験できるスポット”が上位にランクインし、人気を集めています。
日本を体験できるスポットとは、天然記念物である鹿と触れ合うことができる「奈良公園」や、『スラムダンク』の舞台を聖地巡礼できる「江ノ島電鉄・鎌倉高校前駅」などで、初期の「爆買い」から「体験型」の観光スタイルへの変化が伺えます。
また、オンライン旅行会社・途牛旅遊網の「2018年上半期・中国オンライン海外旅行消費報告」によると、日本の四季を感じられる場所も人気を集めているそうです。日本各地の桜の名所や、雪と温泉が楽しめる地獄谷温泉などがあります。
中国SNSの活用や多元語対応が人気スポットのカギ!
「体験できる」スポットは、ますます訪日中国人観光客の人気を集めていくことが予想されます。「爆買い」に象徴されていたような日本での買い物は、今後ネットで済ませられるようになっていくことで、より現地で「体験」することの需要が高まっていくでしょう。
日本でサービスを提供する側には、多言語で対応できる体制づくりが必須となってきています。買い物をする際も、中国人観光客は口コミを重視しており、情報源はWeiboやWeChatです。
中国SNS事情に詳しいスタッフや、アカウント運用のできるスタッフがいると、強い戦力となるでしょう。中国語対応ができれば、中国人観光客をターゲットにした事業がより強化できます。
まとめ
増え続ける中国人観光客ですが、日本のどこが人気スポッなのかはSNSなどでの情報の伝わり方により、常に流動していきます。
そのため、人気スポットが有名な観光地とは限らないので、常にリサーチしておく必要があるでしょう。