目次
販売スキルを構成する要素
販売業において必要となる「スキル」とは、具体的にどのようなものでしょうか。
販売業では、お客様と話す機会も多く、自分が与える印象によって売上を左右することもあるでしょう。
それゆえ、販売業には「コミュニケーション力」が必要となるのです。
以下では、コミュニケーション力の中でも、販売の中で特に必要とされるものを紹介します。
非言語コミュニケーション力(印象力)
まずは気持ちの良い「あいさつ」や丁寧な「言葉遣い」、話しかけやすい「笑顔」など、お客様との接点となる第一印象を好感度の高いものにすることが大切です。
第一印象をつくるのは、多くの場合言葉の内容ではなく、見た目や印象です。そのため、非言語コミュニケーションの力を磨くことも、接客業には欠かせません。
非言語コミュニケーションとは、以下のような言葉の内容以外で受ける印象のことを指します。
- ・視覚情報(身だしなみ、表情、アイコンタクト、ジェスチャーなど)
- ・聴覚情報(声のトーン、スピードなど)
人は誰かと話すときに、言葉の内容だけではなく、大部分の情報をこの非言語領域から得ています。
メラビアンの法則という心理学上の法則は、研究で非言語コミュニケーションの影響力の大きさを立証しています。
この法則では、コミュニケーション内での影響力割合として、
- 言語情報(言葉の内容)7%
- 聴覚情報(声質、口調、テンポなど)38%
- 視覚情報(見た目、しぐさ、表情、視線など)55%
という結果を導き出しています。
例えば、
・商品についての知識が豊富で、しっかりと説明している
・暗い表情で話している
・暗い声で淡々と話している
といった状況のとき、人は「暗い表情」から一番情報を得るので、どんなに商品の説明をしていても「あまりお勧めじゃないんだな」「私に親切に寄り添ってくれてないんだな」など、視覚から得た情報をもとに判断してしまうということです。
そのため、内容だけではなく、説明の仕方(表情、声のトーン、話すスピード、抑揚など)が相手に与える影響が大きいということを念頭に置きながら接客をすることが大切なのです。
傾聴力(聞く力)
これは、お客様との対話を通して得られる、心情や状況からどのような商品に興味があるのかというニーズを知る上でも大切なスキルです。
傾聴というのは、「耳も心も傾けて相手の話を聴く」こと。共感を示し、相手の話していることの理解に努めながら聞いていく姿勢です。
相手の話を否定せず、肯定的な関心を持って聴くことで、相手が安心して話ができる環境をつくります。
接客の中では、自分の伝えたいことを一方的に話すのではなく、お客様の話をとにかく聞く、という意識で様々な質問をし、その返答内容に注目しながらさらに掘り下げていきます。
提案力(伝える力)
商品に対する知識を深め、お客様に商品の魅力を適切に伝えることができる「提案力」も重要です。しかし、一方的に商品についての情報を押し付けるのは「提案」とはいえません。
お客様が求めているニーズを満たすものを提示し、商品の情報について「お客様が知りたいこと」「お客様にとってのメリット」を整理しながら説明する必要があります。
商品の単純なスペックだけでなく「どのような点でニーズを満たしているのか」を意識して話すようにします。そうすることで、お客様の立場に立った説明をすることが可能になります。
そのため、時には他の商品や他社製品と比較してお伝えすることも効果的です。トレンドや自社の旧シリーズ、他社製品など幅広い知識を身に付けておくと、より説得力が増します。
このように、一方的な商品の営業トークだけでなくお客様のニーズを聞きながら提案をする姿勢は、信頼関係を築くためにも効果的です。
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販売スキルを高めていくためのポイント
販売に必要なスキルが備わっている人もいる一方で、接客や販売が苦手な人はどのようにしてスキルアップをすべきでしょうか。
接客や販売が苦手な人だけでなく、もともとスキルを持っている人も、常に磨き続ける姿勢が大切です。ここでは、販売スキルを高める方法について紹介します。
従業員の仕事に対する意欲を高める
従業員が仕事に対する意欲が無ければ、スキルアップはできません。販売スタッフがどうお客様と接し、どう動くべきかを「自分自身で考える姿勢」が重要になります。
お客様から声をかけられるまで待っている「受け身姿勢」や、すべてのお客様に同じ接客になってしまう「ワンパターンな説明」は、自分自身で考えていないことの表れです。
マニュアルを用意することも大事ですが、そこから先お客様にどのように対応したら喜んでもらえるかを一緒に話し合ったり、今できていること&改善点のフィードバックを行うなど、販売スタッフの意欲を引き出す環境づくりを行う必要があります。
お客様をよく観察する
お客様をよく観察することも、販売スキルのアップに繋がります。
観察することで、何かを探している様子や、商品を複数見比べている場合など、こちらから話しかけるタイミングを掴むことができます。
また、お客様が身につけているものから「好みの色やブランド」などの情報を得られる場合もあります。さらに「どんな商品に興味をもっているのか」を観察することも大切です。
その商品について説明が必要か否かを判断し、説明を行う際にはお客様に合わせた「不快にならない言葉」を選んで話すように心がけます。
不快にさせてしまいかねない言葉の例としては、
・否定的な言葉
「無理です」「できません」「ダメです」など
・専門用語や難しい言葉
お客様が理解しにくい言葉や、略語などを多用しない
などです。
お客様への付加価値を考える
販売時に、お客様へ付加価値をプラスした接客を行うことで、ワンランク上の販売スキルになります。
たとえば、以前来店したお客様の顔や購入商品を覚えておくと、前回の商品の使用感を伺いながら、現在のニーズに話を繋げる機会をつくることができます。
自分のことを覚えてくれているスタッフには、商品についても気軽に尋ねやすくなるため、信頼関係の構築にも役立ちます。
また、販売面での付加価値だけでなく、身だしなみやマナーについても気を配りましょう。自社製品を身につけるのも方法のひとつです。
使用例を見せることができるだけでなく「この商品を購入すれば、同じようになれる」という、購入後のイメージを想像するきっかけになります。
上述のように、付加価値を意識して販売を行うことで「この人から商品を買いたい」と思ってもらえることが、販売スタッフの理想像ではないでしょうか。
これからの販売業で求められること
世の中に多種多様の商品が溢れ、ネットショップを介しての購入も多い昨今、商品の力だけで売れる時代ではなくなってきています。
これからの販売業では、店舗や販売スタッフのいる場所へ「足を運んでも買いたい」と感じてもらえるような、販売のスキルが求められます。
さらには、外国人観光客も増加を続けており、ますます接客におけるニーズは多様化しています。
海外からのお客様への接客も視野に入れて準備をする必要があるでしょう。
特に「多言語対応」は、他国籍の接客をスムーズに行う上で重要視されています。
既存のスタッフに言語習得を促すことも大切ですが、即戦力として「外国人労働者の雇用」にも注目が集まっています。
2019年4月より「特定技能の在留資格」が新設された影響もあり、多言語対応が可能な外国人労働者の雇用を取り入れている企業も増加傾向にあります。
まとめ
販売業では、非言語的コミュニケーション力(印象力)、傾聴力、提案力の3つで構成されています。現在はできていると思っていても、商品や顧客ニーズの多様化に順応し、スキルをブラッシュアップしていく必要があります。
特に近年は海外からのお客様への対応も増えているので、外国語での対応や、ジェスチャー等を使って分かりやすく説明するなど、工夫が必要になってくるでしょう。
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