特定技能の生活オリエンテーションとは?実施内容について詳しく解説

深刻な人材不足が予想されている、12の分野。その14の分野で就労が認められるのが特定技能在留資格です。本制度の施行にあたっては、受け入れ機関に対して、外国人労働者に対する行き届いたサポートを行うことが求められています。 外国人が入国後に受ける「生活オリエンテーション」も義務化されているサポートの1つです。 ここでは、特定技能制度における生活オリエンテーションの詳しい内容や、業務委託の方法について解説します。


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特定技能の「生活オリエンテーション」とは

生活オリエンテーションとは、特定技能1号外国人が日本での日常生活や職業生活を問題なく送れるように、受け入れ先の事業者(もしくは事業者より業務委託を受けた登録支援機関)が実施する情報提供のことです。

生活オリエンテーションは、1号外国人の入国後に行われます。その内容は生活全般に及ぶため多岐に渡り、8時間以上の時間をかけて生活全般の知恵を習得します。

学習する内容は生活の安定性に直結するため、受講する外国人が必ず理解できる言語で行われるのが一般的です。

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生活オリエンテーションの実施内容

ここでは、生活オリエンテーションで1号外国人が説明を受ける情報について、項目ごとに解説します。

生活一般の情報提供

生活オリエンテーションでは、日本での生活に関わるさまざまな情報提供を受け取ります。
具体的には、次のような事柄です。

・銀行やATMなど、金融機関の使い方
・病院の受診方法や受診時のルールなど
・公共交通機関の種類や利用方法、乗車時のマナーなど
・日本の交通ルール
・ゴミの廃棄方法
・近隣に迷惑となる要注意行為など生活上のルールやマナー
・生活必需品を購入できる場所
・気象情報や災害情報の入手手段など
・日本で違法となる行為の具体例

国・地方公共団体への届出等に関する情報提供

生活オリエンテーションでは、さまざまな行政手続きについても学習します。

具体的には、住居地に関わる届出や社会保障・税金に関する仕組みと手続き、マイナンバー制度の仕組み、自転車防犯登録などです。

相談・苦情に関する情報提供

多くの来日外国人は、日本では相談できる相手が身近にいないため、何か問題が起きたときに上手く対処することができません。

そのため、生活オリエンテーションでは、外国人が生活で困ったときに相談や苦情の申し入れができる窓口を紹介しています。

具体的には、次のような相談窓口があります。

・受け入れ先企業や企業より外国人支援の委託を受けた登録支援機関の相談窓口対応者の氏名や電話番号、メールアドレスなど

・警察署やハローワーク、労働基準監督署、大使館など国や地方公共団体の相談・苦情窓口

医療機関に関する情報提供

1号外国人が怪我や病気に見舞われたときに、スムーズに病院を受診できるよう医療機関に関する情報提供を行います。

・外国人の患者を受け入れる体制が整っている病院や通訳人員が配置されている病院の所在地や連絡先

・怪我や病気の治療で高額な支払いになることを防ぐための民間医療保険への加入案内

防犯・急病等の緊急時における情報提供

1号外国人がトラブルに陥ったときに、緊急的に自分で自分の身を守る方法をレクチャーします。

具体的には、次のような緊急時の対応について学びます。

・地震や津波、台風などの際に身を守る方法、
・事件や事故に遭わないための備えや心構え
・コンロやストーブ、たばこを使用する場合の火災予防
・緊急時の連絡先や避難場所について
・警察や消防など、緊急時に連絡・通報すべき行政の機関
・防災に関わる情報や避難指示の取得方法、災害時の緊急避難場所など

外国人の法的保護に関する情報提供

近年、滞在外国人について、オーバーステイの問題や技能実習生を違法な労働条件で働かせる問題がクローズアップされています。これらの問題の中には、外国人自身が正しい法的知識や相談窓口を知っていたら被害を防ぐことができたものも多数含まれます。

そのため、外国人が自分自身の生活や身を守るために、入管法例や労働法令、法律違反行為、違反行為があった場合の相談先・通報先、年金受給に関わる情報一般などについても情報提供を行います。

[参考]特定技能運用要領・各種様式等 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)

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生活オリエンテーションの実施はどう行うべき?

生活オリエンテーションは、1号技能外国人の受け入れ先企業等に実施が義務付けられています。

オリエンテーションの内容は、先に説明した通り、一般的な生活知識から行政手続き、相談・苦情窓口、医療機関情報、緊急時対応など多岐に渡ります。

また、生活オリエンテーションにおいては、受講する外国人が正しく理解できる言語で情報提供を行います。その理由は、オリエンテーションで伝える内容は、日本で暮らす外国人の安全・安心を守る上で必要不可欠な情報だからです。

これら膨大な情報を、一般の企業が本業の傍ら外国人に理解してもらえるよう説明を行うことは大変です。そのため、通常は、登録支援機関に生活オリエンテーションの実施を依頼します。

登録支援機関は外国人支援の経験が豊富で、入管法などの法制度に詳しい専門機関です。登録支援機関には、生活オリエンテーションの他、実施が義務付けられている外国人労働者への支援業務全般を委任することができます。

 

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まとめ

生活オリエンテーションは1号技能外国人の受け入れ先機関、もしくは、受け入れ先機関が業務を委託した登録支援機関が実施する生活全般に関わる情報を提供する機会です。

情報の内容は、外国人が日本で生きていく上で欠かせない日常生活に関わるものから、外国人を保護・監督する行政や法律に関するもの、生命に関わる医療や緊急時対応に関するものまで広範囲に渡ります。

生活オリエンテーションなどの外国人支援を企業単独で行うことは難しいため、特定技能外国人の受け入れを検討している企業は、登録支援機関のサポートも視野に入れてみましょう。