2022.08.29 ジェンダー、社会課題
ジェンダー・ギャップ指数2022
こんにちは。
ライフ・リノベーター 笹川祐子(https://twitter.com/imaginenext_ceo)です。
大学院の論文のテーマがジェンダー、女性活躍推進です。
いろいろな資料や本を読んだり、取材やインタビューをしたり、関連する映画を見たり。
いまさらですが、経営していた会社で、もっとやれたことがあっただろうと後悔しています。
さて、今日は、ジェンダー・ギャップ指数についてです。
いつもより長文となっておりますので、お時間に余裕のある時にご覧くださいませ。
ジェンダー・ギャップ指数とは
世界各国における男女格差を数値化したもの。
各国の男女格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野で評価し、国ごとのジェンダー平等の達成度を指数にしている。
「0」が完全不平等、「1」が完全平等を示し、数値が小さいほど男女格差が大きいということ。
非営利財団の世界経済フォーラムが2006年から世界男女格差レポートにて公表しています。
日本の順位 2022年度は
(この図は、立憲民主党のリンクから
https://cdp-japan.jp/news/20220713_4157
日本は今回146カ国中116位。
前年の120位から順位を上げましたが、前年は調査対象国が156カ国で10カ国多く、主要先進国では最下位の状態が続いています。
分野別状況は
分野別にみると、教育が1位と躍進!
健康は63位。
一方で、経済は121位、政治参加も139位と昨年に続き低迷し、総合順位を引き下げています。
逆に、この、政治・経済の分野で女性の参加が増えれば、この指数はグッと上がるのです。
2021年版では、それぞれの分野は156カ国中、教育92位、健康65位、経済117位、政治参加147位でした。
政治分野について
日本のランキングを一番下げている要因が、政治分野における女性進出の遅れです。
国会議員(衆院議員)の女性割合、大臣の女性割合がいずれも低く、過去に女性首相が誕生していないことも低評価につながっているようです。
ヨーロッパでは、クォータ制(ある一定割合を女性に当てはめるもの)が導入され、着実に成果が出ています。
日本でクォータ制の導入が進まないのは、私の思うに、既得権益のある大きな勢力の反対があるからでしょうし、改革が遅々として進まないので、気が付いたら、世界各国の中で、ここまで後塵を拝することになったと思います。
なんかもう、待ったなしですよね。
経済分野について
(この図は、ジェンダーギャップ・レポート2022より作成Yuki Takada/ハフポスト日本版より)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62cb79f8e4b06e3d9bb6e65c
4つの評価項目のうち、政治分野に次いで低迷するのが経済分野です。
算出の基準は5つ。
1、女性の労働参加率
2、同一労働での男女賃金格差
3、全体の男女賃金格差
4、管理職に占める女性比率
5、総合職・専門職に占める女性比率
管理職の女性比率が少ないこと、収入での男女格差が大きいのです。
日本では、2015年8月に女性活躍推進法が成立し、「女性活躍」が成長戦略の一つと位置付けられています。
従業員が301人以上の企業に男女の賃金格差の公表を義務づけるなど、女性活躍推進法については、また別記事にまとめます。
国の施策もあり女性管理職は増えていて、スコア全体は、2006年から2020までの間に、0.545から0.598へと改善したのですが、ランキングは83位から115位まで転落。
女性役員がいない東証一部上場企業数は減少していますが、未だ約3社に1社は女性の役員がいません。
本年4月に発足したプライム市場でも、3割近くの企業が女性役員ゼロ企業です。
そういう背景もあり、私のような者でも、上場企業2社の社外取締役に就任しており、その後のオファーも複数あるのです。
女性社外取締役については、また別記事で書きたいと思います。
日本以上に他国が役員や管理職への女性登用に取り組んでいます!
なぜ、ジェンダー・ギャップ指数が大切なのか、その背景
SDGsとの関連が大きいのです。
SDGsとは、持続可能な開発目標。
2015年の国連サミットで採択された世界共通の目標です。
2030年までに持続可能でより良い世界を目指すために掲げられた目標で、17の目標と169のターゲットで構成され、「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
各国の首脳が、より良い世界を実現していくための目標にジェンダー平等、男女格差をなくすことを選んだのです。
SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」
SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」
ジェンダー格差をなくすということは、より生きやすい豊かな社会につながり、経済発展もしていくのだと知ることができました。
日本の課題
日本は平和で豊かな国になりましたが、平成30年の間、経済成長は止まったまま、賃金もそう変わらず、大胆な改革はすすみませんでした。
世界の潮流に、取り残された感があります。
このジェンダー・ギャップ指数も、成功例では、メキシコ2006年には75位でしたが、2020年には25位になりました。
なんとなく平和なまま、「男は」「女は」という昭和の価値観、無意識のジェンダー・バイアスに囚われたままだと思うのです。
日本社会を元気に、経済を発展させるためにも、多様な社会、女性も半数が意思決定の場に出るような社会にして行きたいと思います。
世界ランキング一覧
146カ国全てを記載しました。
1位はアイスランド 上位にアジア・アフリカも。
長いリストになりますが、日本が先進国では最下位、多くの振興国、発展途上国より低いのです。
経済大国の日本がいかに、最低レベルなのかを私たち日本人はしっかりと自覚して、改善に努めようではありませんか。
先日の日経新聞で、岸田首相がアフリカ支援に4兆円を出すという話が出ていましたが、日本より頑張っている国が多いので、うーん、国内をもっと元気にする施策にお金をばら撒くのではなく使って欲しいです。
順位 |
国名 |
スコア |
1位 |
アイスランド |
0.908 |
2位 |
フィンランド |
0.86 |
3位 |
ノルウェー |
0.845 |
4位 |
ニュージーランド |
0.841 |
5位 |
スウェーデン |
0.822 |
6位 |
ルワンダ |
0.811 |
7位 |
ニカラグア |
0.81 |
8位 |
ナミビア |
0.807 |
9位 |
アイルランド |
0.804 |
10位 |
ドイツ |
0.801 |
11位 |
リトアニア |
0.799 |
12位 |
コスタリカ |
0.796 |
13位 |
スイス |
0.795 |
14位 |
ベルギー |
0.793 |
15位 |
フランス |
0.791 |
16位 |
モルドバ |
0.788 |
17位 |
スペイン |
0.788 |
18位 |
アルバニア |
0.787 |
19位 |
フィリピン |
0.783 |
20位 |
南アフリカ |
0.782 |
21位 |
オーストリア |
0.781 |
22位 |
英国 |
0.78 |
23位 |
セルビア |
0.779 |
24位 |
ブルンジ |
0.777 |
25位 |
カナダ |
0.772 |
26位 |
ラトビア |
0.771 |
27位 |
米国 |
0.769 |
28位 |
オランダ |
0.767 |
29位 |
ポルトガル |
0.766 |
30位 |
バルバドス |
0.765 |
31位 |
メキシコ |
0.764 |
32位 |
デンマーク |
0.764 |
33位 |
アルゼンチン |
0.756 |
34位 |
モザンビーク |
0.752 |
35位 |
ガイアナ |
0.752 |
36位 |
ベラルーシ |
0.75 |
37位 |
ペルー |
0.749 |
38位 |
ジャマイカ |
0.749 |
39位 |
スロベニア |
0.744 |
40位 |
パナマ |
0.743 |
41位 |
エクアドル |
0.743 |
42位 |
ブルガリア |
0.74 |
43位 |
オーストラリア |
0.738 |
44位 |
スリナム |
0.737 |
45位 |
カーボベルデ |
0.736 |
46位 |
ルクセンブルク |
0.736 |
47位 |
チリ |
0.736 |
48位 |
マダガスカル |
0.735 |
49位 |
シンガポール |
0.734 |
50位 |
ジンバブエ |
0.734 |
51位 |
ボリビア |
0.734 |
52位 |
エストニア |
0.733 |
53位 |
ラオス |
0.733 |
54位 |
モンテネグロ |
0.732 |
55位 |
グルジア |
0.731 |
56位 |
東ティモール |
0.73 |
57位 |
ケニア |
0.729 |
58位 |
エスワティニ |
0.728 |
59位 |
エルサルバドル |
0.727 |
60位 |
イスラエル |
0.727 |
61位 |
ウガンダ |
0.724 |
62位 |
ザンビア |
0.723 |
63位 |
イタリア |
0.72 |
64位 |
タンザニア |
0.719 |
65位 |
カザフスタン |
0.719 |
66位 |
ボツワナ |
0.719 |
67位 |
スロバキア共和国 |
0.717 |
68位 |
アラブ首長国連邦 |
0.716 |
69位 |
北マケドニア |
0.716 |
70位 |
モンゴル |
0.715 |
71位 |
バングラデシュ |
0.714 |
72位 |
ウルグアイ |
0.711 |
73位 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ |
0.71 |
74位 |
エチオピア |
0.71 |
75位 |
コロンビア |
0.71 |
76位 |
チェコ共和国 |
0.71 |
77位 |
ポーランド |
0.709 |
78位 |
リベリア |
0.709 |
79位 |
タイ |
0.709 |
80位 |
パラグアイ |
0.707 |
81位 |
ウクライナ |
0.707 |
82位 |
ホンジュラス |
0.705 |
83位 |
ベトナム |
0.705 |
84位 |
ドミニカ共和国 |
0.703 |
85位 |
マルタ |
0.703 |
86位 |
キルギス共和国 |
0.7 |
87位 |
レソト |
0.7 |
88位 |
ハンガリー |
0.699 |
89位 |
アルメニア |
0.698 |
90位 |
ルーマニア |
0.698 |
91位 |
トーゴ |
0.697 |
92位 |
インドネシア |
0.697 |
93位 |
キプロス |
0.696 |
94位 |
ブラジル |
0.696 |
95位 |
ベリーズ |
0.695 |
96位 |
ネパール |
0.692 |
97位 |
カメルーン |
0.692 |
98位 |
カンボジア |
0.69 |
99位 |
韓国 |
0.689 |
100位 |
ギリシャ |
0.689 |
101位 |
アゼルバイジャン |
0.687 |
102位 |
中国 |
0.682 |
103位 |
マレーシア |
0.681 |
104位 |
ブルネイ・ダルサラーム |
0.68 |
105位 |
モーリシャス |
0.679 |
106位 |
ミャンマー |
0.677 |
107位 |
フィジー |
0.676 |
108位 |
ガーナ |
0.672 |
109位 |
シエラレオネ |
0.672 |
110位 |
スリランカ |
0.67 |
111位 |
バヌアツ |
0.67 |
112位 |
セネガル |
0.668 |
113位 |
グアテマラ |
0.664 |
114位 |
タジキスタン |
0.663 |
115位 |
ブルキナファソ |
0.659 |
116位 |
日本 |
0.65 |
117位 |
モルディブ |
0.648 |
118位 |
ギニア |
0.647 |
119位 |
レバノン |
0.644 |
120位 |
チュニジア |
0.643 |
121位 |
ガンビア |
0.641 |
122位 |
ヨルダン |
0.639 |
123位 |
ナイジェリア |
0.639 |
124位 |
トルコ |
0.639 |
125位 |
アンゴラ |
0.638 |
126位 |
ブータン |
0.637 |
127位 |
サウジアラビア |
0.636 |
128位 |
ニジェール |
0.635 |
129位 |
エジプト |
0.635 |
130位 |
クウェート |
0.632 |
131位 |
バーレーン |
0.632 |
132位 |
マラウイ |
0.632 |
133位 |
コートジボワール |
0.632 |
134位 |
コモロ |
0.631 |
135位 |
インド |
0.629 |
136位 |
モロッコ |
0.624 |
137位 |
カタール |
0.617 |
138位 |
ベナン |
0.612 |
139位 |
オマーン |
0.609 |
140位 |
アルジェリア |
0.602 |
141位 |
マリ |
0.601 |
142位 |
チャド |
0.579 |
143位 |
イラン、イスラム共和国 |
0.576 |
144位 |
コンゴ民主共和国 |
0.575 |
145位 |
パキスタン |
0.564 |
146位 |
アフガニスタン |
0.435 |
<G7とアジア近隣国の順位とスコア>
10位 ドイツ 0.801
15位 フランス 0.791
22位 イギリス 0.780
25位 カナダ 0.772
27位 アメリカ 0.769
63位 イタリア 0.720
79位 タイ 0.709
83位 ベトナム 0.705
92位 インドネシア 0.697
99位 韓国 0.689
102位 中国 0.682
106位 ミャンマー 0.677
116位 日本 0.650
135位 インド 0.629
日経xwoman編集部
https://woman.nikkei.com/atcl/column/21/060800084/062100004/
すごく参考になるサイト!
【ジェンダーギャップ指数とは】日本の課題・取り組み・2022年最新データを解説
https://spaceshipearth.jp/gendergap/
★笹川祐子 プロフィール
★ライフ・リノベーター宣言
★企業の人材教育・育成ならイマジンネクストへ
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