2022.12.03 ジェンダー、社会課題
日本は自己責任論の強い国、寛容性のある社会へ
こんにちは。
ライフ・リノベーター 笹川祐子(https://twitter.com/imaginenext_ceo)です。
サッカー、森保ジャパンが競合スペインを破り、決勝トーナメントに選出!
素晴らしい快挙に、日本列島盛り上がりました。
そんな一体感は素敵だなぁ、もっと大切にしたいと思います。
さて、今日は、「日本は自己責任の強い国、寛容性のある社会へ」という記事をアップします。
論文で、世界幸福度ランキングについてやその他調べる中で、日本は自己責任論の強い国、寛容性が低いというデータが出ていました。
確かに「自己責任論」が強い国であると私も思うのです。
離婚してシングルマザーで頑張っていても、未婚の子どもを産んで育てても、ホームレスになっても、ビジネスで失敗して大借金抱えても、「自己責任」と言われてしまう。
経営者が失敗して倒産すると、金融機関も周囲も途端に厳しい目線になり、再起を図るのが難しい。
政府の格差是正への責任に関する意識について(国際比較)では
「所得の格差を縮めるのは、政府の責任である」という見解に対して、ドイツやフランスなど他の先進諸国は政府の責任を求める比率が高いが、日本は、「そう思う」、「どちらといえば、そう思う」と回答した人は全体の 52.1%であり、他の先進諸国の結果と比べるとその割合は低くなっています。
また、「どちらともいえない」との回答が 28.9%となっており、それは先進諸国の中で最も多い数字で、日本人の自己責任意識が見られます。
(引用 厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「社会保障に関する国民意識調査」(2011 年度)
政府による貧困層への援助に関する意識について(国際比較)では、
「政府は、貧しい人たちに対する援助を減らすべきだ」との見解に対し、先進諸国は「そうは思わない」「どちらかと言えばそう思わない」の比率が高く、日本は最も低い水準です。
また、「わからない」との回答が 38.9%となっており、先進諸国の中で最も高い水準です。
もちろんお金を出すのは納税者であるから税金の使い道に厳しくなりますが、このような寛容性のなさ、多様の人の存在や人生を受容する少なさが、日本人全体の幸福感に影響を与えているのではないでしょうか。
(参考:平成24年版 厚生労働白書)
ここで、「経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策」という古典的名著となっているデヴィッド・スタックラー教授とサンジェイ・バス医師の研究成果である名著を紹介します。
( 参考:単行本 – 2014/10/15 デヴィッド・ スタックラー (著), サンジェイ・バス)
不況下において財政刺激策をとるか緊縮財政をとるかは、人々の健康、生死に大きな影響を与える。
世界恐慌から最近の「大不況」までの各国の統計から、公衆衛生学の専門家が検証した最新研究。長年の論争に、イデオロギーではなく、「国民の生死」という厳然たる事実から答えを導く一冊。
緊縮財政が著しく国民の健康を害して死者数を増加させるうえ、景気回復も遅らせ、結局は高くつくことを論証したものです。
この著書では、リーマンショックの時の「自己責任」のギリシアと「支え合い論」のアイルランドを比較。
ギリシャは欧州や世界からの経済援助を受ける条件に社会保障費の削減を実行。
その結果、失業率は高まり、家を差し押させられ、病院にも行けず、街にはホームレスが激増し、治安が悪化。
麻薬使用者が増え、注射針の使い回しでHIV感染者数が増え、うつ病患者が増え、自殺者が急増。
あらゆる社会問題が国中に蔓延し税収は激減で、財政はさらに悪化したのです。
一方、同じくリーマンショックで国家財政が破綻寸前になったアイスランドは、世界各国からギリシアと同じような緊縮財政の決断を迫られたにもかかわらず、逆に積極的にお金を使ってみんなで助け合う道を選び、経済を急速に回復させました。
2022年度世界幸福度ランキング、アイスランドは3位、日本54位、ギリシャ58位です。
日本が豊かな社会になるには支え合いが大切です。
もともと日本人は支え合いの精神が豊かだと私は思っていたのですが、少子化少子化と騒ぎながら、家事育児を女性にワンオペでずっとやらせてきているのは、私自身も含めてですけど、もっとも目を向けるべき問題だったと反省しています。
自己責任論が行き過ぎる社会は行き詰まるというデータが出ているので、今後、緊縮財政にならないよう注視したいと思います。
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