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2022.11.22 起業・経営・会社
大橋運輸の健康経営、ダイバーシティ 成功への軌跡

キーワード:ダイバーシティ健康経営

こんにちは。

ライフ・リノベーター 笹川祐子(https://twitter.com/imaginenext_ceo)です。

先日、「ダイバーシティに取り組む大橋運輸の成功事例」というブログ記事をアップしました。

https://www.imaginenext.co.jp/president_blog/28555/

もっと詳しく、男性育児についても聞きたいと思い、インタビューを申し込むと、なんと鍋嶋社長が直接インタビューに応じて頂きました。

 

大橋運輸の男性育児休暇

 

大橋運輸での男性育児休暇は、まず「出産立ち会い」と「出生届」の2日間は、100%とのこと。

会社の方針としてこの2日間は強く推奨している姿勢がわかります。

人によっては1ヶ月以上休暇を取る人もいますし、管理職でも短時間勤務になっています。

大橋運輸ではさまざまな方々の働き方が受け入れられ、福利厚生が行き届いているので、男性育休は特別なものではなく、男性も時短勤務が可能です。

短時間勤務の女性を管理職にするには、前回のブログにも書きましたが、既存社員からの抵抗がずいぶん大きかったそうです。

これは世の中の企業にも、あるあるだと思います。

でも社長の強いリーダーシップと信念で

「労働時間の長さ=優秀さ」ではない。

チャンスも生まれず、イノベーションが起きない。

ワークライフバランスの実現ができない。

と、効率よく仕事ができる人、改善の実績のあげた人たちを女性でも短時間勤務の管理職に抜擢していったそうです。

で、今の社員数は100人規模で、役職者比率は男女半々となっています。

 

社長の改革の歩み

 

鍋嶋社長は3代目として社長就任24年目となります。

当時は赤字の連続で債務超過に陥っていました。

最初の10年は立て直しに奔走されたそうです。

まず第一にビジネスモデルの見直し。

下請けからの脱却です。

15年前は下請け比率が80%だったのが、現在は3%になりました!

そして、従来の運輸業は「安全」第一でしたが、流れは、「安全と衛生」になり、社長はES(従業員の満足度)向上に取り組みました。

ES向上のための健康経営、ダイバーシティに取り組んだのです。

大橋運輸の健康経営にかける予算(福利厚生費)は、10年前に比べて、なんと10倍です!

これは社長の強い思いと、そしてビジネスモデルの転換戦略により、福利厚生にそれだけ予算を取れる利益体質になり、社員が健康になり幸福感や使命感を感じながら仕事もでき、利益も上がるという、好循環スパイラルに入ってきたことの証明だと思います。

 

健康経営への取り組み

 

健康経営にかける予算が、10年前に比べて10倍!

その中身とは。

健康経営予算の一つとして、食材提供。

朝食にバナナ、ヤクルト、トマトジュースなどフリーで提供しています。

以前は朝食を取らない社員が多かったそうです。

朝食は体温を上げるために大切。

バナナはカリウムがあり血圧下がる、

ヤクルトは乳酸菌、

ブルーベリーは目にいい、

りんごは食物繊維が豊富、

みかんは風邪予防、

疲労回復には豚肉や黒毛和牛など、

管理栄養士が社内にいて、情報発信をしています。

毎月、社内に新鮮な野菜やお肉などがドーンと届き、それを社員が持ち帰られるよう提供しているとのこと。

ありがたいですね!!

これらの施策や情報発信により、社員の健康レベルは格段に上がりました。

肥満度は下がり、喫煙率は60%から20数%までダウン。

さらに、趣味の応援企画があり、マックス10万まで提供しています。

仕事と人生を楽しく過ごすために、釣りやキャンプ用品の購入だったり、カラー診断を受ける費用や、子供と一緒の課外活動に天体望遠鏡の購入などの応援をしています。

そして、常勤の管理栄養士が、ウォーキングイベントなど賞品付きのイベントを定期的に立ち上げています。

 

CSRからCSV

 

大橋運輸は地域の活動と密接です。

鍋嶋社長いわく、「我が社はCSRよりCSVです!」とおっしゃいました。

CSRは社会貢献活動ですね。

我がイマジンネクストも私が中心ですが、シングルマザーや子ども食堂の応援をさせてもらっています。

さて、CSVとは、社会貢献と利益の追求が同時にできるものです。

下記、ご参考まで

CSRは社会貢献の意味合いが強く、事業活動とは無関係の奉仕活動なども含まれます。そのため活動が利益につながらないこともあります。一方、CSVは企業戦略の一環として社会への貢献活動を行うため、活動内容は事業と関係があるものになります。そのため企業は社会的貢献と利益の追求を同時にできるのです。

出典:経済産業省『持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会(第3回)議事要旨』  】

大橋運輸では、地域の健康寿命を伸ばすために、防災・健康・生前整理などのセミナーを開催していますが、市役所や警察と官民連携を図っています。

市や自治体からの問い合わせも多いそうです。

社長ご自身が成年後見人やプライベートでも地域のボランティア活動に参加していますが、この地域活動は、社内リサーチをすると、社員さんの地域に対する思いも倍になるのです。

地域に対する活動に社会的意義を見出し、社会課題に向き合うことに使命や充実感を感じられるのです。

その結果、地域での認知度や信頼度が高まり、受注も増えていくという流れになっているのだと推察されます。

大橋運輸はSDGsと呼ばれる前から地域の課題に取り組んできており、今までやってきたことが、自然とSDGsなのだという企業です。

結果的に、健康経営、ダイバーシティ、官民連携、LGBTQと先進的な企業となりました。

若い人の応募が年々増え、優秀な方々が集まってきます。

ここには、中小企業が見習うべきエッセンスがたくさんあります。

現在、大橋運輸には大企業からの見学、視察も増えています。

 

健康経営、ダイバーシティ浸透のコツは?

 

ダイバーシティがなかなか進まない企業も多くありますよね。

鍋嶋社長にダイバーシティ浸透の秘訣を伺いました。

意識を変える 知識を変える その継続です!

大橋運輸でさえ、ここまで来るのに、長い長い年月を要したとのこと。

短期間でできるものではないが、意識を変えるには、知識が必要で、その情報発信を絶えず継続していくことが大事です。

長期で成果を求めると思った方がいい。

やはり経営者の強い意志と覚悟、忍耐力が必要ですね。

 

女性活躍は、男性がんばれ!

 

鍋島社長が、男性に言いたい!ということで、私も初めて聞いてハッとしました。

女性の出産・育児は、とても学びが多く、人間的にも凄く成長するもの。

決してその期間は、「停止」ではない。

お姑さんやママ友、医療関係者や多方面でのコミュニケーションや情報収集、

自分の思い通りにならない赤ちゃんのマネジメントは復帰後の仕事に活きるもの!

どちらかというと、女性の産休・育休はキャリアの中断とみられましたが、

鍋島社長は、「できることに目を向ける。ちょっと視点をずらす」ことの大切さを

教えてくださいました。

私にとっても大きな発見となりました。

 

大橋運輸の10年後

 

大橋運輸は各種表彰もされ、優秀な大学生から卒論の研究取材が殺到しています。

それでも、社長曰く、「運輸業は、まだまだ新卒の就職の選択肢に入らない」そうです。

でも、10年後には、

社会課題に、地域の課題に、挑戦する運輸企業もある!」と広く認知される企業でありたいとのこと。

それは夢ではなく、着々とゴールに向かっていると思えます。

ぜひ、中小企業の課題解決に悩む経営者は大橋運輸を研究し、真似してほしいと思います。

瀬戸市から未来を動かす大橋運輸

会社HPはこちらです。
https://www.0084.co.jp

社長に今までの歴史を綴ってもらう記事はこちらです。
「仕事の付加価値はがつくる。大橋運輸が「ダイバーシティ経営」を始めるまでに積み重ねた改革の歩み」
https://note.com/pr_0084/n/ndb54ce12d52e

 

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