2023.01.30 ジェンダー、社会課題
日本の少子化問題、ジェンダー平等から。
こんにちは。
ライフ・リノベーター 笹川祐子(https://twitter.com/imaginenext_ceo)です。
日本の少子化、「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際」 岸田首相が施政方針演説
というニュースが先日ありました。
昨年の12月に、岸田首相が「子供手当を倍増~子育て支援、現金給付厚く~予算倍増めざす」と発表しました。
具体的な道筋への先送りが懸念されており、財源はどうするのか、まだはっきりしていません。
もう待ったなし、と国も認めてはいるけれど、日本の少子化対策はこの30年ずっと失敗してきているんです。
人口学者エマニュエル・トッド氏が「老人支配国家日本の危機」という著書の中で、日本の30年前から現在に至るまでのことをこのように書いています。
「30年前に初来日した際、日本ではすでに人口問題が議論されていて先見性に感心した。
ヨーロッパでは特に問題視されていなかった。
~中略~
訪日のたびに意見を求められる一方で、結局この30年間、日本は少子化対策も移民対策も、ほとんど何の手も打ってこなかったからです」
さらに、トッド氏は、「国家が思い切って積極的な少子化対策を打つこと、出生率をあげるための社会制度を整えることこそ、安全保障政策以上に、日本の存亡に直結する最優先課題だ」と提言されています。
日本は高齢化社会となり、政治の面では、選挙権の多い高齢者向けの対策となりがちです。
女性議員が少ないことから、こどもや教育への政策や予算の少なさを指摘されていますが、その通りです。
令和4年10月、児童手当の高所得世帯への給付がなくなり、紛糾する事態になりました。
さて、少子化は先進国になれば、歴史上でも必然と言われています。
(唯一の例外が移民を積極的に受け入れるアメリカです)
少子化の原因はいろいろ言われますが、日本で30年も議論されながらまったく改善されないのは、根底にある男女格差の問題だと、私は思います。
男女格差というか、性別役割分業意識(男は仕事、女性は家事・育児)が日本社会に根強く、共働きをするようになり、女性は家事・育児に仕事と負担が大き過ぎます。
女性が安心して仕事しながら子どもを産んで子育てできる環境が、他国ほど整っていないのです。
日本の高度経済成長時代に機能した、新卒一括採用、年功序列、終身雇用、定年退職制、という全体システムが、社会の隅々まで、制度と意識が浸透しています。
時代とそぐわなくなってきていたので、制度疲労を起こしている状態です。
長時間労働という雇用慣行がなかなか是正されず、年功序列賃金を守るために、非正規雇用がどんどん増えてしまいました。
給料が上がらないので、生活ができず、非婚化、晩婚化、子どもを持てないという状況の人が増えました。
そして、日本は他国に比べると、婚外子や夫婦別姓が認められず、世界は多様な家族を受容する潮流です。
フランスでは、シラク3原則というもので、出生率を回復させました。
ドイツの出生率向上の成功事例があります。
ドイツは、日本と同じように性別役割分業意識が根強かったのですが、制度の導入、新しい父親像のメディア露出で社会全体の空気が変わっていったのです。
日本でも今の時代に合う意識の変革や、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みなど)の見直しは急務であると思います。
フランスやドイツの真似できるところは見習うべき。
こどものいない家庭は、子育てには関心がないような、当事者意識の薄さが、結局は私たち日本人の首を絞めているのです。
少子化は結局は自分たちの年金と老後の生活に大きく影響します。
きょうの北海道新聞にも「少子化対策、若年層は評価 50代は最低」とありました。
もっと当事者意識をもって、子どもは社会の宝、私たちの未来、という大きな気持ちで、若い世代を応援していきたいと思います。
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