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2023.01.20 本・読書
「多様性の科学」マシュー・サイド

キーワード:ダイバーシティ多様性

こんにちは。

ライフ・リノベーター 笹川祐子(https://twitter.com/imaginenext_ceo)です。

論文を書くのに50冊ぐらい本を読みました。

その中から、大変参考になった、新しい気付きがあったものを紹介していきます。

「多様性の科学」(著者:マシュー・サイド)というものです。

著者は、英「タイムズ」誌の第一級コラムニストですが、卓球選手としてオリンピックに2度出場している多才な人です。

現代において、いかに多様性が重要かということを、科学的に研究されているものです。

画一的な集団では盲点に気づけない。

多様性があれば、異なる視点から問題解決にアプローチできる、というものです。

アメリカで起きた2001年9月11日の同時多発テロは、

「当時のCIAに多様性がなかったことによるミス。予兆が幾つもあったのに見逃してしまった」

と現在では分析されています。

同書では、画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織のケーススタディが数多く取り上げられており、以下のCIAについて引用します。

「CIAは厳格な人事採用基準、試験を経て、2万人に1人という合格率の最高の人材を確保してきた。しかし、採用された人材は同じ特徴を共有していた。

白人、男性、アングロサクソン系、プロテスタント。かつ中・上流階級の出身で、リベラルアーツ・カレッジ(全人教育を理念とする4年生大学)の卒業生。

1980年代には非白人や女性はほぼいなく、民族的マイノリティについても同様で、CIAは設立当初よりさらに多様性を失いつつあった。」

「CIAはオサマ・ビンラディンの宣言の危険性を察知できず、当初から彼らにはブラックホールのような盲点があったという。

職員はほぼ中流階級出身で、金銭的な苦境、迫害、過激思想に触れることも、諜報活動に知見をもたらし得る経験もしていない。

諜報専門家のマイロ・ジョーンズの指摘には、「CIAには中国語、韓国語、ヒンディー語、ウルドゥー語、ペルシア語、アラビア語を話せる分析官がほとんどいなかった。

これらの言語を話す人口を合計すると世界人口の約3分の1にも当たる。」

私は、日本企業の多くは(グローバル企業を除いて)多様性に乏しく、CIAの失敗同様の危険性があるのではないだろうか、と心配しています。

もちろん中には中小企業やスタートアップでもダイバーシティに積極的に取り組んでいるところもあります。

女性も若者も外国人も障がい者もLGBTQも。

いろいろな人の視点やアイディアが意思決定層に届く、多様性のある組織が、これからの時代を牽引していくと思います。

また同書には、グッチからプラダ、グーグルからアップルの話もありますが、エベレスト登山隊のエピソードには日本人女性の登山家が登場します。

私は初めて知ったのですが、難波康子さんという民間人でエベレスト登頂者であり、最期はエベレスト下山中に遭難して亡くなっています。

この大遭難事件はのちに映画にもなっているのですが、同書では、この登山隊という組織の問題点に触れています。

興味深いエピソードがたくさんありますので、ぜひご一読(耳読でも)をお勧めします!

私は論文終わってほっと一息。

たくさん本を読みたく、オーディオブックもやっていますが、アマゾンのオーディブルにも入会しました。

一か月無料で翌月から1500円ですが、単行本1冊の値段ですから、多読する人にはコスパがいいと思います。

でも、この「多様性の科学」は読み放題に入っているかチェックしたら、入ってませんでしたが、1500円以上の値はあります!

 

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